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東京地方裁判所 平成9年(ワ)26107号 判決

東京都台東区駒形二丁目五番四号

原告

株式会社バンダイ

右代表者代表取締役

茂木隆

右訴訟代理人弁護士

伊藤真

小林幸夫

大阪市中央区博労町一丁目九番一四号 森脇ビル二F

被告

株式会社ケイデイワイ

右代表者代表取締役

幸田〓

主文

一  被告は、別紙被告商品目録記載のゲーム機を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、又は輸入してはならない。

二  被告は、その占有する別紙被告商品目録記載のゲーム機を廃棄せよ。

三  被告は、原告に対し、金五〇〇万円及びこれに対する平成九年五月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  訴訟費用は、被告の負担とする。

五  この判決は、仮に執行することができる。

事実及び理由

一  原告は、主文と同旨の判決を求め、別紙のとおり請求原因を述べた。

二  被告は、適式の呼出を受けながら口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因事実を明らかに争わないものと認め、これを自白したものとみなす。

三  以上によれば、原告の本訴請求は、いずれも理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担については民事訴訟法六一条を、仮執行の宣言については同法二五九条一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 高部眞規子 裁判官 榎戸道也 裁判官 大西勝滋)

(別紙)

請求原因

一 当事者

1 原告は、玩具、遊戯用具、運動用具の企画、製造及び販売などを業とする株式会社である。

2 被告は、時計、貴金属品の販売などを業とする株式会社である。

二 原告の商品

原告は、平成八年一〇月一〇日から別紙原告商品目録記載のとおりの形態を有するゲーム機(以下「原告商品」という。)を販売している。

三 被告の不正競争行為

1 被告は、平成九年四月ころから別紙被告商品目録記載のゲーム機(以下「被告商品」という。)を輸入、販売している。

2 被告商品は、その形態が、液晶画面のまわりのギザギザ模様の窪みがないことを除き、原告商品の形態と全く同じであり、原告商品の形態を模倣したものである。

3 したがって、被告商品を輸入、販売する被告の行為は、不正競争防止法二条一項三号の不正競争行為に当たる。

四 原告の損害

1 被告は、故意又は過失により、前記三記載の不正競争を行って原告の営業上の利益を侵害したから、原告に対し、これによって生じた損害を賠償する責任がある。

2 被告は、平成九年四月末日までに、前記三の不正競争によって五〇〇万円を下らない利益を得ており、右利益の額は、原告が被告の右不正競争によって被った損害の額と推定される。

五 結論

よって、原告は、被告に対し、(1)不正競争防止法三条一項、二条一項三号に基づき、被告商品の譲渡、貸渡し、譲渡若しくは貸渡しのための展示及び輸入の差止め、(2)不正競争防止法三条二項、二条一項三号に基づき、被告商品の廃棄、(3)不正競争防止法四条、二条一項三号により、前記損害額五〇〇万円及びこれに対する不法行為の後である平成九年五月一日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

原告商品目録

形態は次頁の写真のとおり(表面の色彩及び絵柄を除く)

1、縦約五・三cm、横約四・三cm、厚さ約一・八cmの扁平した卵型をしており、正面の中央やや上部に縦約二・一cm、横約二・一cmの大きさの白黒表示の液晶画面が組み込まれている。

2、液晶画面の上下には横に帯状に絵文字が表示される部分があり、その間にドット表示により自由に絵や文字を表示できる部分が幅広に設けられている。

3、液晶画面の回りには卵の殻が割れたようなギザギザの窪みがつけられている。

4、液晶画面の下に横に並べて三つのボタンが設けられており、真ん中のボタンが少しだけ他のボタンより低くなっている。プレーヤーはこのボタンを操作して遊ぶようになっている。

〈省略〉

被告商品目録

商品名 ニュータマゴウォッチ

(外観形状は左記のとおり)

〈省略〉

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